成果発表

2022/02/25
論文

iScience

基礎免疫
DOCK8-expressing T follicular helper cells newly generated beyond self-organized criticality cause systemic lupus erythematosus
iScience. 2021 Dec 2;25(1):103537.
株式会社膠原病研究所
塩沢俊一 先生
自己免疫疾患の研究において、当社レパトア解析が利用されました。論文は、生化学的な特性解析やマウスを用いた細胞移植試験、全身性エリテマトーデス(SLE)患者の末梢血や組織中の細胞数の定量化により、aiCD4 T細胞(autoantibody-inducing CD4 T cell)の性質と由来を明らかにしようとしたものです。また、これらの細胞に対する抗体を用いたSLEの治療法の可能性についても検討されています。 レパトア解析は、マウスCD4 T細胞のTCR遺伝子解析に使用されています。外部刺激を受けて生成したDOCK8+ Tfh細胞(DOCK8-expressing T follicular helper cells)のTCR遺伝子利用の多様性が、刺激を受けていないDOCK8- Tfh細胞に比べて制限され、かつ新規TCRレパトアの方向に偏っていることを明らかにしました。

2022/02/21
論文

Antibiotics

Inactivation of Antibiotic-Resistant Bacteria in Wastewater by Ozone-Based Advanced Water Treatment Processes
https://doi.org/10.3390/antibiotics11020210
大阪医科薬科大学大学院 薬学研究科 衛生化学研究室
東剛志 先生
大阪医科薬科大学大学院 薬学研究科 衛生化学研究室 東剛志先生が"Inactivation of Antibiotic-Resistant Bacteria in Wastewater by Ozone-Based Advanced Water Treatment Processes"を発表されました。 下水処理場排水中の抗菌剤耐性菌(AMRB)および抗菌剤感受性菌(ASB)に対するオゾン(O3)ベースの高度酸化プロセス(O3/H2O2、O3/UV、O3/UV/H2O2システム)の不活性化効果について検討しています。当社の細菌叢解析により、高度酸化プロセス前後における排水サンプル中の16S rRNA遺伝子配列に基づく微生物の分類学的多様性の変化が明らかになりました。

2021/12/02
論文

The Journal of Clinical investigation

基礎免疫
CD153-CD30 signaling promotes age-dependent tertiary lymphoid tissue expansion and kidney injury
https://doi.org/10.1172/JCI146071
京都大学大学院医学研究科 腎臓内科学
佐藤有紀 先生
京都大学大学院医学研究科腎臓内科学 佐藤 有紀先生が "CD153-CD30 signaling promotes age-dependent tertiary lymphoid tissue expansion and kidney injury"を発表されました。 加齢T細胞(SAT)および加齢B細胞(ABC)がCD153-CD30シグナルを介して相互作用することが三次リンパ組織形成において重要であり、相互作用を阻害することで、三次リンパ組織形成、ひいては腎機能障害を抑止できることを見出しました。この研究から腎臓病治療において、免疫細胞とCD153-CD30経路を標的とした治療法が有用である可能性が示されました。本研究では、マウスの腎臓と脾臓のソーティングされた細胞を用いたT細胞とB細胞のレパトア解析を当社にて実施し、研究データとして活用いただいております。

2021/11/20
論文

British Journal of Haematology

血液腫瘍
Clinical significance of the immunoglobulin G heavy-chain repertoire in peripheral blood mononuclear cells of adult T-cell leukaemia-lymphoma patients receiving mogamulizumab
https://doi.org/10.1111/bjh.17895
熊本大学病院 血液・膠原病・感染症内科
野坂生郷 先生
当該論文では成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)患者のモガムリズマブ投与前の末梢血単核球(PBMC)を用いたBCRレパトア解析の結果を報告しております。MIMOGA試験において、PBMC中のCD2-CD19+B細胞の割合が低いことが全生存期間(OS)の有意な予後不良因子であることから、本研究に登録された101人の患者の中で利用可能なシーケンスデータが取得できた81人においてBCR解析が実施されました。その結果、ATL患者の末梢IgG B細胞は健常者に比べてレパートリーが制限されており、シャノンウェーバー多様性指数(SWDI)が高い患者は低い患者に比較してOSが有意に長いことが示されました。本研究で実施されたBCRレパトア解析の結果から、モガムリズマブを含む治療を受けているATL患者における液性免疫応答の重要性が示されています。当該論文では当社研究員が共著者としてレパトア解析データの検討・比較を担っております。

2021/10/06
論文

Scientific Reports

臨床免疫
Determining the immune environment of cutaneous T-cell lymphoma lesions through the assessment of lesional blood drops
https://doi.org/10.1038/s41598-021-98804-0
名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科
鳥居寛 先生
名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科 鳥居寛先生が "Determining the immune environment of cutaneous T-cell lymphoma lesions through the assessment of lesional blood drops"を発表されました。 論文では皮膚T細胞リンパ腫患者のlesional blood drops(病変部血液)を用いて治療効果の評価が検討されており、当社TCRレパトア解析技術を用いて病変部血液中のCD8 + CD45RO + T細胞の解析を実施し、病態により特徴的なレパートリーを呈することが示され、この病変部血液を用いた解析から菌状息肉腫の新たな病因の考察を見出すとともに皮膚炎症疾患の治療効果の評価を容易にする可能性が述べられております。

2021/10/06
論文

Communications biology

基礎免疫
Regulation of the immune tolerance system determines the susceptibility to HLA-mediated abacavir-induced skin toxicity
https://doi.org/10.1038/s42003-021-02657-2
富山大学和漢医薬学総合研究所 生体防御学領域 がん・免疫ユニット
薄田健史 先生
富山大学和漢医薬学総合研究所 生体防御学領域 がん・免疫ユニット 薄田健史先生が "Regulation of the immune tolerance system determines the susceptibility to HLA-mediated abacavir-induced skin toxicity"を発表されました。 HLA-B*57:01遺伝子とアバカビルを用いて、HLA-B*57:01遺伝子を保有していたとしても免疫抑制状態が保てていない人ほどアバカビル服用による薬疹が起こりやすくなる可能性が示されております。当論文内において、当社TCRレパトア解析はモデルマウスの免疫応答を確認するために用いられております。

2021/09/30
論文

Science Of The Total Environment

Seasonal effects of natural attenuation on drainage contamination from artisanal gold mining, Cambodia: Implication for passive treatment
https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2021.150398
北海道大学大学院 工学研究院
Sereyroith Tum 先生
北海道大学大学院 工学研究院 Sereyroith Tum 先生が "Seasonal effects of natural attenuation on drainage contamination from artisanal gold mining, Cambodia: Implication for passive treatment"を発表されました。 カンボジアの河川において鉱山からの排水が流れ込んでおり、水質への大きな影響を与えているが、乾季と雨季では重金属濃度が異なることがわかっており、 自然界に存在する減衰システムによりこの差異は生まれ、その仕組みを理解するためには更なる詳細な調査解明が必要となっていた。 この研究では詳細の解明を図るため、支流における排水の詳細な調査が実施され、当社の細菌叢解析は重金属を含む土壌の解析に利用されております。

2021/09/27
論文

Annals of Neurology

臨床免疫
Th1 - CD11c + B cell axis associated with response to plasmapheresis in multiple sclerosis
https://doi.org/10.1002/ana.26202
国立精神神経医療研究センター 神経研究所 免疫研究部
木村公俊 先生
国立精神神経医療研究センター 神経研究所免疫研究部 木村公俊先生が "Th1 - CD11c + B cell axis associated with response to plasmapheresis in multiple sclerosis"を発表されました。 論文では血漿交換治療はTh1細胞の炎症関連遺伝子発現を減少させたことに着目し、Th1細胞でのIFN-γ発現がいくつかの自己免疫疾患と連関があるとされるCD11c+B細胞と正の相関があることを示したため、多発性硬化症患者における血漿交換治療においても検討を行った結果、多発性硬化症患者においても同様の反応を示すことが確認されました。そのCD11c+B細胞について、当社BCRレパトア解析を用いてプロファイリング解析を行ったところ、他のB細胞集団と比較してレパートリーの減少が確認されました。また、治療後にはCD11c+B細胞の減少が確認されました。

2021/09/15
論文

Cancer Immunology, Immunotherapy

腫瘍免疫
Tumor-infiltrating CD8 + T cells recognize a heterogeneously expressed functional neoantigen in clear cell renal cell carcinoma
https://doi.org/10.1007/s00262-021-03048-6
札幌医科大学 病理学第一講座
松木雅裕 先生
札幌医科大学病理学第一講座松木雅裕先生が "Tumor-infiltrating CD8 + T cells recognize a heterogeneously expressed functional neoantigen in clear cell renal cell carcinoma"を発表されました。 本論文では腫瘍組織内のがん細胞の多様性すなわち「腫瘍内不均一性(intra-tumor heterogeneity)」について淡明細胞型腎細胞がん患者の腫瘍組織を用いて報告を行っております。顕微鏡的に腫瘍組織を悪性度の高い部位と低い部位に分け解析を行ったところ、悪性度の高い部位では浸潤リンパ球からネオアンチゲン特異的T細胞がプロファイリングされ、ネオアンチゲンも同定されましたが、悪性度の低い部位では同様の検出ができませんでした。同じ腫瘍内においても顕微鏡的に高悪性度部位と低悪性度部位に分離した組織間では腫瘍微小環境は異なり「腫瘍内不均一性」を示すことが発表されております。
本研究においては当社解析を用いて腫瘍浸潤リンパ球のプロファイルを行い、特異的T細胞の同定に活用されております。

2021/09/02
論文

Pediatric Surgery International

The protective effects of hepatocyte growth factor on the intestinal mucosal atrophy induced by total parenteral nutrition in a rat model
https://doi.org/10.1007/s00383-021-05002-0
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 小児外科学講座
杉田光士郎 先生
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児外科学講座杉田光士郎先生が "The protective effects of hepatocyte growth factor on the intestinal mucosal atrophy induced by total parenteral nutrition in a rat model"を発表されました。 論文ではラットモデルを用いて高カロリー輸液の投与により起こった食道の粘膜委縮がHGFにより軽減される効果があったことを示しております。 本研究において当社発現量解析の技術を用いて関連遺伝子の発現量の変化を経時的に測定し、その関連遺伝子の活性化の変化について確認されております。

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