成果発表
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- 2023/02/15
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International Journal of Molecular Sciences
基礎免疫
Characterization of Metal-Specific T-Cells in Inflamed Oral Mucosa in a Novel Murine Model of Chromium-Induced Allergic Contact Dermatitis
https://doi.org/10.3390/ijms24043137
鶴見大学歯学部 口腔顎顔面外科学講座
吉澤孝昌 先生
鶴見大学歯学部 口腔顎顔面外科学講座 吉澤孝昌先生が "Characterization of Metal-Specific T-Cells in Inflamed Oral Mucosa in a Novel Murine Model of Chromium-Induced Allergic Contact Dermatitis"を発表されました。
クロム(金属)のアレルギー研究において、当社レパトア解析が利用されました。
論文では、口腔粘膜にクロムアレルギーを引き起こすマウスモデルを作製し、T細胞受容体(TCR)レパトア解析において病変部のレパトアの差異について報告しています。これらの結果から、NKT細胞および固有のTCRセットの活性化が、クロムアレルギーにおいて誘導される可能性について示唆しています。また、この発表には当社研究員が共著者として参画しております。
- 2023/02/13
- 論文
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Gut microbiota of Parkinson's disease in an appendectomy cohort: a preliminary study
https://doi.org/10.1038/s41598-023-29219-2
熊本大学 脳神経内科学講座
中原圭一 先生
熊本大学脳神経内科 中原圭一先生が "Gut microbiota of Parkinson's disease in an appendectomy cohort: a preliminary study"を発表されました。
論文ではパーキンソン病と腸内細菌叢の関連について研究されており、患者群と健常群の腸内細菌叢の違い、虫垂切除術の実施有無による腸内細菌叢の違いについて言及されております。論文においてはパーキンソン病群と健常者の細菌叢の違いのみならず、虫垂が腸内細菌叢にどのような役割を果たしているか、虫垂切除術がパーキンソン病の発生の有無に連関しているかを検討されております。
当社技術は本研究中の糞便を用いた16SrRNA細菌叢解析技術において利用いただいております。
- 2022/11/09
- 論文
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腫瘍免疫
Generation of induced pluripotent stem cell (iPSC) from NY-ESO-I-specific cytotoxic T cells isolated from the melanoma patient with minor HLAs: The practical pilot study for the adoptive immunotherapy for melanoma using iPSC technology
https://doi.org/10.1111/exd.14686
東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座
伊藤宗成 先生
東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 伊藤宗成先生が "Generation of induced pluripotent stem cell (iPSC) from NY-ESO-I-specific cytotoxic T cells isolated from the melanoma patient with minor HLAs: The practical pilot study for the adoptive immunotherapy for melanoma using iPSC technology"を発表されました。
論文ではメラノーマ患者からNY-ESO-1特異的なCD8+T細胞を単離し、培養した後にその培養したT細胞からiPS細胞(T-iPSCs)を作成されました。その作成されたT-iPSCsが元のTCR遺伝子を維持し、細胞障害性を有していることも確認されており、この技術がiPSC細胞を用いたメラノーマをターゲットとした養子免疫療法の試金石になりえると述べられています。
論文内では当社解析を用いて、作成されたT-iPSCが持つTCR遺伝子プロファイルが元の細胞と同じTCR遺伝子プロファイルを有しているかを確認されています。
- 2022/11/07
- 論文
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The preventive effect of recombinant human hepatocyte growth factor for hepatic steatosis in a rat model of short bowel syndrome
https://doi.org/10.1016/j.jpedsurg.2022.02.030
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 小児外科学
矢野圭輔 先生
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児外科学矢野圭輔先生が "The preventive effect of recombinant human hepatocyte growth factor for hepatic steatosis in a rat model of short bowel syndrome"を発表されました。
論文では短腸症候群(SBS)モデルラットを用いて組換えヒトHGF(rh-HGF)が小腸切除(SBR)およびその後の腸管不全関連肝疾患(IFALD)にどのような効果を与えるかについて検討されました。結果として、rh-HGFの投与は肝脂肪および肝機能異常の予防効果を示し、rh-HGFはSBSおよびその後のIFALDに対する有効な治療薬となる可能性が述べられております。当社ではご研究の中で研究対象ラットの腸内細菌叢解析と組織中のリアルタイムPCRを用いた関連遺伝子発現量の解析を実施させて頂きました。
- 2022/10/01
- 論文
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Pediatric Hematology and Oncology
臨床免疫
Presence of identical B-cell clone in both cerebrospinal fluid and tumor tissue in a patient with opsoclonus-myoclonus syndrome associated with neuroblastoma
https://doi.org/10.1080/08880018.2022.2109784
金沢大学附属病院 小児科
伊川泰広 先生、野口和寛 先生
小児がんの研究において、当社のレパトア解析が利用されました。本論文では、免疫抑制療法で治療された神経芽腫に伴うオプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS-NB)の患者において、脳脊髄液(CSF)と腫瘍組織の両方にB細胞の増加を認めたことを報告しています。
当社のBCRレパトア解析により、CSFと腫瘍組織に存在する最も存在比率が高いB細胞クローンが同一クローンであることが明らかになり、このクローンがOMS-NB の病因に寄与している可能性が示唆されました。
- 2022/09/21
- 論文
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基礎免疫
Neuropilin-1 (NRP1) expression distinguishes self-reactive helper T cells in systemic autoimmune disease
https://doi.org/10.15252/emmm.202215864
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 免疫研究部
大木伸司 先生
自己免疫疾患の研究において、当社のレパトア解析が利用されました。本論文では、NR4A2遺伝子を欠損した自己免疫疾患モデルマウスは自己反応性のT細胞集団が減少し病態が改善すること、また、その選択的識別マーカー分子としてNrp-1が発見されたこと、Nrp-1を標的とした自己免疫疾患の治療によりモデルマウスの病態が有意に改善することが明らかになりました。
当社のTCRレパトア解析は、自己免疫疾患モデルマウスの脾臓からソートされたメモリーT細胞集団を検体として用いて行われ、NR4A2遺伝子の欠損によって自己反応性のT細胞集団が選択的に減少することを明らかにしました。
本論文については、国立精神・神経医療研究センターのホームページでも紹介されています。
- 2022/05/23
- 論文
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臨床免疫
CXCL13-producing CD4+ T cells accumulate in early phase of tertiary lymphoid structures in ovarian cancer
https://doi.org/10.1172/jci.insight.157215
京都大学医学部 婦人科学産科学教室
浮田真沙世 先生
卵巣癌の研究において、当社のレパトア解析が利用されました。論文では、腫瘍周辺に形成される三次リンパ系構造(TLS)の存在がどのように誘導され、それらが患者の生存にどのように影響するかを調べた結果、CXCL13遺伝子発現や腫瘍微小環境(TME)におけるCD8+T細胞とB細胞系統の共存が高悪性度漿液性卵巣癌(HGSC)患者にとって好ましい予後因子であり、TLSの存在と相関していることが明らかになりました。
当社のTCRおよびBCRレパトア解析は、HGSC患者の腫瘍切片から切り分けられたTLS領域と腫瘍浸潤リンパ球(TIL)領域を検体として行われ、3つのケースのうち2つで、TILからの増幅が最も高いクローンとTLSで観察されたクローンが一致していることを明らかにしました。このことは、TLSで増殖した抗原特異的T細胞がTILとして腫瘍に浸潤する可能性を示唆しています。
- 2022/05/13
- 論文
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Dental pulp stem cells as a therapy for congenital entero-neuropathy
https://doi.org/10.1038/s41598-022-10077-3
九州大学大学院 医学研究院 小児外科分野
吉丸耕一朗 先生
腸管の先天性疾患の一つであるヒルシュスプルング病の治療研究において、当社の細菌叢解析が利用されました。論文では、低神経節症と腸神経障害のモデルマウスJF1への乳歯由来歯髄幹細胞dDPSC(Dental pulp stem cells derived from deciduous teeth)の静脈内移植が、大腸の構造と機能を改善し、生存を延長することが報告されています。 当社の菌叢解析は、野生型B6マウスとJF1マウスの糞便を用いて行われ、JF1マウスの糞便はB6マウスよりもBacteroidetesの割合が高く、多様性が低いことが示され、JF1マウスの腸内細菌叢がアンバランスになっていることが明らかになりました。
- 2022/04/26
- 論文
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基礎免疫
Efficient human-like antibody repertoire and hybridoma production in trans-chromosomic mice carrying megabase-sized human immunoglobulin loci
https://doi.org/10.1038/s41467-022-29421-2
鳥取大学医学部生命科学科 染色体工学研究センター
香月康宏 先生
基礎免疫の研究において、当社レパトア解析が利用されました。論文では、独自の染色体工学技術を用いて、ヒト抗体遺伝子全長を安定に保持するマウスの作製に成功したことが報告されています。レパトア解析は、この新しいヒト抗体産生マウスがヒト末梢血単核細胞と類似したIGH及びIGK遺伝子レパトアを持つことを示すのに利用されました。
- 2022/03/11
- 論文
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The Proceedings of the National Academy of Sciences
基礎免疫
Developmentally distinct CD4+ Treg lineages shape the CD8+ T cell response to acute Listeria infection
https://doi.org/10.1073/pnas.2113329119
Division of Developmental Immunology, La Jolla Institute for Immunology,
Dr. Joseph S. Dolina
感染症の研究において、当社レパトア解析が利用されました。論文では、リステリア急性感染症が、表現型的にも機能的にも複雑な制御性T細胞(Treg)応答を引き起こし、2つの別々の亜集団からなることが明らかにされました。レパトア解析は、リステリア感染させたマウスの脾臓を用いてTCRレパトア解析をおこない、感染1日目と7日目とで、Tregが異なるTCRレパートリーを持つことを明らかにしました。また本論文については、ラホヤ免疫研究所のResearch Newsでも紹介されています。