成果発表
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- 2024/10/23
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臨床免疫
Low-frequency CD8+ T cells induced by SIGN-R1+ macrophage-targeted vaccine confer SARS-CoV-2 clearance in mice愛知県がんセンター(研究所) 腫瘍免疫制御TR分野 村岡大輔先生、東京大学大学院 医科学系研究科 国際保健学専攻 MOI MENG LING先生、京都大学大学院 医学系研究科 医学専攻感染・免疫学講座 秋吉一成先生、長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 腫瘍医学分野 池田裕明先生、ユナイテッド・イミュニティ株式会社 原田直純先生らによる研究グループより、PNGによる髄質マクロファージ選択的送達は、C型レクチンSIGN-R1への結合に依存することが明らかとなりました。これにより低頻度であってもウイルス感染に迅速に反応する特定の CD8陽性キラーT細胞の誘導はワクチンの有効性にとって重要であり、SIGN-R1+髄質マクロファージを標的とした抗原送達によって達成が可能となります。
本研究において、誘導されたCD8陽性キラーT細胞のクローン毎の違いを確認する方法として当社のT細胞受容体(TCR)のレパトア解析の技術が用いられました。なお、本研究の成果については下記Webサイトにおいてニュースリリースされております。
東京大学:モイ教授のナノ粒子性薬剤送達システムを用いたワクチン研究論文が英国Nature系 npj Vaccines に掲載
京都大学:我が国独自のナノ粒子性薬剤送達システムを用いた次世代ワクチンの新型コロナウイルスに対する優れたキラーT細胞誘導と感染防御性能を動物モデルで実証―将来の感染症ワクチン開発への幅広い応用の可能性―
愛知がんセンター:T細胞誘導と感染防御性能を動物モデルで実証
ユナイテッド・イミュニティ株式会社:ナノ粒子性薬剤送達システム「Myeloid Targeting PlatformTM」を用いた 次世代ワクチンの新型コロナウイルスに対する 優れたキラーT細胞誘導と感染防御性能を動物モデルで実証 ― 将来の感染症ワクチン開発への幅広い応用の可能性 ―
- 2024/09/12
- 論文
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Cancer Research Communications
腫瘍免疫
Therapeutic efficacy of IL-7/CCL19-expressing CAR-T cells in intractable solid tumor models of glioblastoma and pancreatic cancer
山口大学大学院 医学系研究科 免疫学講座 太田啓介先生らの研究グループより、難治性がんである神経膠芽腫および膵臓がんに対するIL-7およびCCL19を産生する次世代CAR-T細胞(7×19 CAR-T)の治療効果をマウスモデルを用いて検討した論文が発表されました。
7×19 CAR-Tの細胞傷害活性および治療効果の確認を目的として、上皮成長因子受容体バリアントIII(EGFRvIII)陽性神経膠芽腫および健常ドナーPBMCから作製した抗EGFRvIII CAR-Tを用いたモデルとヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陽性膵臓がんオルガノイドおよび同じ患者のPBMCから作製した抗HER2 CAR-Tを用いたモデルにおいて、in vitroおよびin vivoで評価を行い、その結果マウスの生存期間が延長したことが確認されました。本研究は、患者由来の腫瘍オルガノイドと同じ患者のPBMCから生成されたCAR-Tを使用した自己モデルで、望ましくない同種免疫応答が完全に排除された次世代CAR-Tの治療有効性を実証した初めての研究です。
当社では、7×19 CAR-TをCAR陽性T細胞と陰性T細胞に分け、Injection前(PBMC作成由来)と後(脾臓細胞由来)でのTCRα鎖とβ鎖のレパトア解析を実施させて頂きました。
- 2024/08/15
- 論文
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臨床免疫
Analysis of B-cell receptor repertoire to evaluate immunogenicity of monovalent Omicron XBB.1.5 mRNA vaccines
神戸大学医学部附属病院 腫瘍・血液内科 船越洋平先生、薬師神公和先生、感染症内科 大路剛先生らにより、当社のレパトア解析を利用した論文が発表されました。本論文では、当該研究室にて開発された新しい新型コロナウイルス特異的な抗体配列の定量方法(QASAS法)を使用してXBB.1.5 mRNAワクチンの評価を行い、オミクロンXBB株に対する抗体産生が以前のワクチンよりも強力であることを示唆する結果が得られました。
当社のBCRレパトア解析は、新型コロナウイルス特異的抗体データベースと照合するための抗体遺伝子配列の取得に利用されています。
- 2024/07/22
- 論文
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Involvement of the genus Corynebacterium in the pathogenesis of pigmented intratarsal keratinous cyst
弘前大学大学院 医学研究科 皮膚科学講座 六戸大樹先生らの研究グループよりIntratarsal keratinous cyst (IKC) における炎症と細菌叢に関する論文が発表されました。眼瞼の良性嚢胞性病変であるIKCは、通常は黄色から白色の囊胞として現れますが、まれに茶色から灰青色になることがあり、臨床診断に影響を及ぼします。この原因については明らかにされていません。著者の研究グループにおいて、この色素性IKCでは嚢胞壁下のメラノサイトが多くメラニン沈着が激しい領域に局所的なリンパ球浸潤があることを確認し、さらにその嚢胞内の細菌コロニーの細菌叢を解析しコリネバクテリウム種の存在を確認され、炎症と細菌叢に関連した色素性IKCの病因について考察されました。
当社では、論文中に示された嚢胞内の細菌コロニーを用いた16S rRNA菌叢解析を実施させて頂きました。
- 2024/07/22
- 論文
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腫瘍免疫
Regulatory T-cells activated in metastatic draining lymph nodes possibly suppress cancer immunity in cancer tissues of head and neck squamous cell cancer
愛知医科大学 研究創出支援センター 鈴木進先生らの研究グループより、転移性リンパ節で活性化した制御性T細胞が頭頸部扁平上皮がんのがん組織におけるがん免疫を抑制することが示唆される論文が発表されました。活性化制御性T細胞(Treg)のがん免疫を抑制するメカニズムは不明であるため、このメカニズムを解明するために、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者の末梢血、流入領域リンパ節(DLN)、がん組織におけるTregと通常型T細胞のT細胞受容体(TCR)レパトア解析を行いました。その結果、がん組織と転移性DLN(M-DLN)では非転移性DLNと比してTCRレパートリーが偏っており、M-DLNとがん組織間のTregおよびCD8+ T細胞のTCRレパートリーの類似性は他の部位と比較して高いことが判明しました。これらの結果は、M-DLNおよびがん組織において、ネオアンチゲンや共有抗原などのがん抗原によってTregおよびCD8+ T細胞が活性化され、M-DLNおよびがん組織においてTregががん抗原特異的にCD8+ T細胞の機能を抑制することが示唆されます。さらに、M-DLNはがん組織にリクルートされるTregおよびCD8+ T細胞の供給源である可能性があります。これらの事より、M-DLNのTregを抗原特異的に標的とすることにより、頭頸部扁平上皮がんに対する新しい免疫療法戦略となることが期待されます。
当社では、論文中に示された頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者の末梢血、流入領域リンパ節(DLN)、がん組織におけるTregと通常型T細胞を用いたTCRレパトア解析を実施させて頂きました。
- 2024/07/01
- 論文
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基礎免疫
Human iPSC-derived CD4+ Treg-like cells engineered with chimeric antigen receptors control GvHD in a xenograft model
京都大学 CiRA金子新研究室 矢野寿先生により、当社のレパトア解析を利用した論文が発表されました。
本論文では、FOXP3の発現を誘導することでヒトiPS細胞由来のCD4陽性Treg-likeな細胞の製造に成功したことを報告しています。
当社のTCRレパトア解析を用いることにより、非T細胞由来のiPS細胞から培養された細胞が、その分化の過程で様々なTCRαおよびβ遺伝子が再構成され、ポリクローナルなTCRレパトアを構成していることが確認されました。
- 2024/05/29
- 論文
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Chronic ingestion of soy peptide supplementation reduces aggressive behavior and abnormal fear memory caused by juvenile social isolation
星薬科大学 生命機能創成科学研究室 田村英紀先生から大豆ペプチドサプリメントの慢性摂取と幼少期の社会的孤立によって引き起こされる行動障害に対する保護効果に関する論文が発表されました。
当該論文の中で、大豆ペプチドが腸内細菌叢の構成に与える影響が検討され、腸内細菌叢が代謝、内分泌、免疫、神経経路を介して脳機能に影響を与えることを示す証拠となる可能性が示唆されております。
当社では、論文中に示されたマウスの糞便を用いた16S rRNA菌叢解析を実施させて頂きました。
- 2024/05/07
- 論文
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Peripheral-central network analysis of cancer cachexia status accompanied by the polarization of hypothalamic microglia with low expression of inhibitory immune checkpoint receptors
星薬科大学薬学部 薬理学研究室の須田雪明先生、濱田祐輔先生の研究グループからがん悪液質の誘発と腸内細菌叢の関連に関する論文が発表されました。
当該論文では、がん悪液質期後期のマウスにおいて腸内の嫌気性細菌、特にファーミキューテス菌が増加し、リポ多糖(LPS)の血漿中濃度が有意に上昇することにより、ミクログリア中の抑制性免疫チェックポイント受容体(PD-1、CD112R)の発現低下に伴い、視床下部の炎症状態が悪化する可能性が示唆されております。
当社では、論文中に示されたマウスの糞便を用いた16S rRNA菌叢解析を実施させて頂きました。
- 2024/03/21
- 論文
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血液腫瘍
Decade-long WT1-specific CTLs induced by WT1 peptide vaccination
新潟大学医歯学総合病院 血液・内分泌・代謝内科 諏訪部達也先生により、当社のレパトア解析を利用した論文が発表されました。
本論文では、WT1ペプチドワクチン接種後、WT1特異的CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)がどのくらいの期間、どの程度持続するかを調べ、ワクチン接種中止後も免疫応答が10年以上持続することを報告しています。
当社のTCRレパトア解析は、混合リンパ球ペプチド培養後のWT1特異的CTLを用いて行われ、ワクチン接種から11年後のWT1特異的CTLの多様性が明らかになりました。
- 2024/02/07
- 論文
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Journal for ImmunoTherapy of Cancer
腫瘍免疫
Combination of oligo-fractionated irradiation with nivolumab can induce immune modulation in gastric cancer
http://dx.doi.org/10.1136/jitc-2023-008385
福島県立医科大学 消化管外科
三村耕作 先生
福島県立医科大学 消化管外科 三村耕作先生から放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤の複合療法にTCRレパトア解析を用いた論文発表がされました。
ご発表の中では、放射線治療と免疫療法の併用療法がおこなわれた20例の患者の末梢血を用いて、いくつかの解析手法を用いて横断的に疾患特異性や多様性をモニタリングされており、その解析の中のアプローチの一つとして当社のTCRレパトア解析を用いて、それぞれの治療介入による多様性の変動がモニタリングされております。