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レパトア ジェネシス
「治らないをなくす」
レパトア ジェネシスの使命です。
私たちは、独自の「免疫多様性解析技術」と、アカデミアや製薬企業との最適なパートナーシップを通じて、世界中の病気で苦しむ患者さんに対して、効果的で効率的な新しい治療法/診断法をお届けする会社です。
免疫細胞は、生体内で病原体やがん細胞などの異常な細胞を認識し攻撃することで、病気から保護するというきわめて有益である反面、自己の細胞を攻撃したり(自己免疫疾患)、本来は生体に無害な物質に対して、間違って過敏に反応してしまう(アレルギー)など負の側面もあることが知られています。
免疫系(免疫の仕組み)は、私たちヒトの体内に元々備わっている自然界で最も洗練された診断および治療の仕組みの一つと言えます。しかしこれまでその詳細を十分に把握/解明できなかったため、医療分野では免疫系が持つ潜在的な医療応用へのポテンシャルを十分に活かせていませんでした。
この複雑な免疫系を詳細に解析できれば、がん、自己免疫疾患、感染症などの幅広い疾患分野において、これまでにない新薬や新しい治療法・診断法を開発することができると確信し、私たちは事業展開しています。
コア技術-TCR/BCRレパトア解析とは
免疫系を詳細に理解することによる新しい治療法や診断法を開発する試みは、以前からありましたが、その実現は容易ではありませんでした。その理由は、免疫系が数多くの外来性の抗原に対応するという、元々備えている多様性が膨大なため、その全貌を正確に把握することが技術的に困難だったからです。
当社は、免疫系の多様性と特異性の把握に必須の次世代型「TCR/BCRレパトア解析」を開発しました。
当社が開発した「TCR/BCRレパトア解析」は、これらT細胞とB細胞が持つ受容体の遺伝子を網羅的に解析することで、個々のT細胞やB細胞がどのような抗原に反応しているのか(特異性)や、どれくらいの種類の受容体を全体としてもっているのか(多様性)を明らかにできるのです。
生体には体外から侵入した細菌やウイルス等の病原体から生体を防御する免疫系が備わっています。免疫系において最も重要な働きを担っているのが、リンパ球に含まれるT細胞とB細胞です。
これらの細胞表面にあるT細胞受容体(TCR)やB細胞受容体(BCR)という受容体分子は、様々な病原体の持つ抗原を認識して攻撃するとともに、がん細胞などの体内で生じた異常な細胞を見つけだし、排除する役割を担っています。
そのためT細胞やB細胞は、一つ一つの細胞の表面に異なる受容体分子を持ち、その受容体の種類に応じて異なる抗原を認識します。
医療開発に貢献する「免疫多様性解析技術群」の広がり
当社では2014年10月の創業以来、主要なリンパ球であるT細胞受容体(TCR)とB細胞受容体(BCR)の詳細な遺伝子解析である「TCR/BCRレパトア解析」を主軸に、がん、感染症、自己免疫疾患などの多くの疾患分野での解析を実施してきており、これまでに1万検体以上のサンプルから10億を超えるT細胞/B細胞受容体遺伝子の特性を明らかにし、170以上のアカデミアや30以上の製薬企業との共同研究、パートナーシップを積み上げています。
また、これらの解析結果を高度な「バイオインフォマティクス技術」と、これまでに蓄積した膨大なデータを組み合わせ多面的に把握することで、個々の医科学研究および臨床開発目的と課題への高付加価値なソリューションが提供できます。
さらに、免疫系の解明および新規治療/診断法の開発には様々な技術が必要となるため、当社では「TCR/BCRレパトア解析」以外にも、免疫多様性解析に関する技術群の開発を進めています。例えば、病気の細胞にのみ発現する正常な細胞とは異なる抗原(ネオエピトープ)を正確に判定する「ネオエピトープ解析技術」。
くわえて、「シングルセル解析」と「TCR/BCRレパトア解析」を組み合わせることで、免疫応答の原因となっているT細胞、B細胞を、1細胞単位で決定し、そのTCR/BCR配列を取得し、「ゲノム編集技術」と「遺伝子導入技術」を活用した細胞療法の開発に取り組むなど、応用研究開発も推進しています。
このように、コア技術である「TCR/BCRレパトア解析」を中心に、免疫多様性解析技術は大きな広がりを見せています。
●バイオインフォマティクス技術:生命科学と情報科学の融合分野の技術のひとつ。DNAやRNA、タンパク質をはじめとする生命が持つ様々な「情報」を対象にして、情報科学や統計学などのアルゴリズムを用いた分析から生命現象を解き明かしていくことを目的とする。
●ネオエピトープ解析技術:がん細胞における遺伝子変異を軸として抗原認識可能なエピトープを解析する技術。
●ゲノム編集技術:DNA切断酵素を利用して、ゲノム上の標的遺伝子を改変する技術のこと。ゲノムとは、DNAに含まれる遺伝情報全体のこと。
●遺伝子導入技術:様々な細胞に対して目的の遺伝子を導入する技術。
幅広い疾患分野と拡大する事業機会
幅広い疾患分野
当社のターゲットである免疫系を応用した医療開発分野は、今後最も拡大が期待される成長マーケットの一つであり、当社独自の免疫多様性解析技術を活用することで、がん、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、臓器移植など数多くの免疫系が関与する疾患分野への貢献が可能です。
免疫系を応用した医療開発
(基礎研究、予防、診断、治療)
また2019年末から拡大を続ける新型コロナウイルス感染症が、世界的に大きな社会課題となる中、感染症予防ワクチンの開発支援や、感染による重症化を予測するバイオマーカーの開発など、当社が貢献できる事業機会も拡大しています。
さらに、がん免疫療法市場や自己免疫疾患市場の拡大、抗体医薬、免疫細胞療法、遺伝子治療の普及、ゲノム編集の臨床応用の試みが加速化する中で、当社独自の免疫多様性解析技術群と「バイオインフォマティクス」、オリジナルソフトウェア、機械学習を組み合わせることで、製薬企業による新規抗体医薬の創出、既存薬剤の適応拡大の支援、ゲノム編集を用いた免疫細胞療法(TCR-T、CAR-T)の開発も可能です。
加えて、近年では製薬企業による診断薬や予防分野への参入、後発医薬品メーカーの新薬開発の参入、AI創薬の試みの活発化など、創薬環境も大きく変化していますが、当社では患者さんの検体中の何百万もの膨大な免疫細胞の受容体情報から、潜在的なバイオマーカーを見つけ、診断アプリケーションの開発に迅速につなげることが可能です。免疫系が持つ病気の監視/早期発見/治療機能を応用した創薬基盤技術を提供し、複雑な免疫系を解き明かすことで、病気の診断と治療を変革する「バイオインフォマティクス」を軸とした創薬ソリューションの提供など、大きな広がりが期待できます。
●免疫細胞療法(TCR-T、CAR-T): がん免疫療法の一種であり、特殊なたんぱく質を作り出せるようにT細胞の遺伝子を改変することで、改変されたT細胞が、がん細胞を効率よく認識して攻撃できるようにする治療法。
安定した収益基盤と高い成長性を両立する事業モデル
当社は、独自の免疫多様性解析技術群を活用して、顧客と共に基礎から応用的な医療開発を進めており、医療開発工程の上流から下流までシームレスに幅広い価値提案ができることで、安定的な収益基盤を構築し、同時に高い成長性の両立を可能とする事業モデルとなっています。
レパトアジェネシスの安定した収益基盤と高い成長性を両立する事業モデル
レパトアジェネシスのワンソース・マルチユース戦略
主にアカデミアに対しては、基礎的な研究ニーズに応え、独自性の高い「研究開発支援サービス」を提供することで、新規性の高い研究成果の創出を支援しています。
また基礎的な研究で一定の成果が得られた場合は、アカデミアでの「基礎研究フェーズ」から、製薬企業でのヒトの臨床サンプルを利用した「臨床開発フェーズ」に移行し、さらに長期的なパートナーシップにつながります。
当社では、2018年7月に医薬品GLP省令に準じて当社の開発した解析サービスを提供する体制を構築しました。当社独自の免疫多様性解析技術に対して信頼性が保証されたことで、国内外のバイオ医薬品企業との長期的な臨床開発をより積極的に進めています。