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当社のTCR/BCRレパトア解析を利用した論文が『ネイチャー』本誌に掲載されました
2017/11/22
共同研究先である米国カリフォルニア大学サンディエゴ校のシャブナム・シャラポア博士(マイケル・カリン教授研究室)らの論文が、世界で最も権威のある科学雑誌である『ネイチャー』本誌の2017年11月16日号に掲載されました。
タイトル:Inflammation-induced IgA+ cells dismantle anti-liver cancer immunity (炎症によって誘導されるIgA+細胞は抗肝がん免疫を解除する)
今回の論文は、慢性的な炎症が免疫グロブリンA産生B細胞の集積を引き起こし、この細胞がPD-L1(Programmed Death-Ligand 1)とインターロイキン10も発現していて、組織中の細胞傷害性T細胞の働きを直接抑制していることを明らかにしています。この知見は、炎症によって誘導される細胞傷害性T細胞の抑制が、がんの増大を促進するメカニズムとして重要であることを示しており、がん細胞に対する免疫機能の増強を目的とした新たな治療戦略の可能性を示唆しています。
抗腫瘍免疫を研究する上で当社のTCR/BCRレパトア解析が有用であることが今回の論文では示されており、今後も当社の解析が、がんや難病に対する新規治療法の開発をはじめ、患者さん一人ひとりに最適な医療を実現することに貢献できるような事業展開を推進してまいります。